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書くレトリックとは?

テクニカルライティングの本を執筆されている、片岡英樹氏の新書である「読み手の心を動かすレトリック入門 」を先日購入して読ませていただきました。


本書は、テクニカルライティングに必要な書くレトリックとは何か、各種レトリックの説明に重点を置いたものです。

 

まず、「書くレトリック」とは何でしょうか?
本書では以下のように説明しています。


「専門用語」「センテンス」「パラグラフ」および文法をどのように選択あるいは構成して、どのように効果的・効率的に文書を作り出すかを決める重要な技術である。


具体的に言うと書くレトリックとは文章を書く上でのパターン、型、またはテンプレートみたいなものです。誰でも知っている起承転結は、日本語のレトリックのパターンであるが英文テクニカルライティングでは使われません。


本書では全部で10種類の書くレトリックのパターンを紹介しています。「伝える」ためのパターン6種類と「説得する」ためのパターン4種類に分け、これらを単独、または組み合わせて使用する技法を説明しています。


エンジニアに必要な文書テクニックとして、「簡潔に」、「明確に」、「正確に」(一般的に3Cと呼ばれている)論理的に書くだけでは不十分で今後は戦略的に書くためのレトリックパターン、とくに「説得文のレトリックのパターン」をマスターし駆使していくことが、ビジネス、アカデミアで成功するカギであると書かれています。

 

おそらく、エンジニアであれば一部またはほとんどの書くレトリックのパターンは無意識のうちに使っているかもしれませんが、本書ではパターンを分類して効果的に使う方法が述べられています。

 

さらに、翻訳者にも書くレトリックは重要であることも紹介されています。書くレトリックはテクニカルライターだけのテクニックではなく、海外または日本人のテクニカルライターが書いた文章を他言語に翻訳する場合にも書くレトリックの知識が役に立つというものです。


本書で紹介されている例文を見るとなるほどと思います。転記が禁止されているのでできません。和訳をする際に単にこなれた文章に訳すのだけではだめで、書き手が伝えようするロジックをくみ取って、読み手が期待するように訳出する必要がああるというものです。


翻訳経験が長いと、こなれた訳出ができるようになり、ぱっと見良いのですが、全体を通して読んだときに何を言っているのかよく理解できないことがあります。書くレトリックのパターンをマスターしていれば、非常に読みやすいワンランク上の翻訳をできるようになるのではないかと思いました。具体的な例文を考えたら別な機会にブログで紹介したいと思います。