AI(人工知能)時代に求められる翻訳スキル

近年、翻訳業界では益々機械翻訳の利用が盛んになってきました。和訳に関して言えば、2018年に入ってからほとんど純粋な翻訳は少なくなっており、代わり「ポストエディット」の作業に置き換わりつつあります。一方、英訳の方は以前と変わらず、通常の翻訳として受注しています。現時点では翻訳業界全体でも英訳のポストエディット案件は少ないと思いますが、今後ポストエディットの作業が増えてくる可能性はあります。

 
まずポストエディットとは、機械翻訳で翻訳された訳文を原文と比較してチェック(クロスチェック)、誤訳の訂正、読みやすいように編集する作業です。では、ポストエディターに必要なスキル、能力は何でしょうか? ポストエディターに最低限必要と思われるスキル、能力を以下に挙げました。
 
1.専門知識
記事内容に関する専門分野の知識が必須です。例えばIT関連の記事であれば、IT分野の全般的な基礎知識、プログラミング、統計、数学などの知識が必要です。
 
2.ターゲット言語能力
英日翻訳であれば、日本語の作文能力です。
 
3.ソース言語能力
英日翻訳であれば、英語の読解力です。
 
4.テクニカルライティング能力
ドキュメントの目的や読者対象に応じて技術を的確に且つわかりやすい文書に書く知識、スキルです。
 
1~3は、通常の翻訳作業に必須の能力です。ポストエディターの場合は、1~3に加えて4が必要になると思います。ポストエディターの対象者とは、もともと翻訳者としての経験があり、さらにテクニカルライティングを学習した人ということになります。
 
AI(人口知能)時代では、翻訳者の役目は機械翻訳に置き換わりつつあるので、従来の翻訳者はポストエディットのスキルを身につける必要があります実状、1の専門知識と3のテクニカルライティング能力が不足している方が多いと思います。求められる品質レベルも高くなっているので、翻訳者はこれまで以上にスキルアップが求められると思います。翻訳サービスを提供する側も優秀なポストエディターの確保が重要になります。

 
参考:http://mt-archive.info/EAMT-2002-OBrien.pdf